土地活用の中でも最もポピュラーなのが、賃貸経営です。賃貸経営は初期投資が必要ですが、収益は高くなりがちであり、建築物を建てる場合と土地をそのまま貸す場合の二通りの活用方法があります。
それぞれの方法について、メリットやデメリットがあるので、どちらにすべきかは初期投資として、土地にするか建築物を建てるか、またはそれぞれに需要があるかなどを考えて決めるといいでしょう。
物件を貸し出す場合には、自信で賃料を設定することができますが、土地の場合はそうではなく、相場などから見て適切な値段を設定する必要があります。今回は土地の貸し出しについてと、土地の賃料の相場の算出方法を紹介したいと思います。

●建物が建てられているときの場合
建築物にはいくつもの種類がありますが、基本的に貸し出しをする場合には、住宅か店舗になることがほとんどです。

・居住用に貸し出す
まず、居住用に貸し出す際に、都市部や交通の便がいい場所ではアパートやマンションを建てて貸し出すこともありますが、人口の少ない地域などでは、戸建向けの宅地提供を行うこともあります。
居住用であれば、店舗や事務所とは違い閉鎖されることも無く、長期的な契約も行うことになるので、比較的収入も安定します。
ただ、個人用の戸建て住宅は、広すぎる住宅になると借り手がつかない傾向にあります。最大でも50坪程度あれば十分ですので、それ以上の土地を居住用の宅地として貸し出すのであれば、試訳地検月分譲住宅用地として、業者向けに貸し出した方がいい場合もあるでしょう。

・高齢者向け集合住宅として貸し出す
店舗や居住用の宅地とは違いますが、最近では高齢者向け集合住宅としても貸し出すことも可能です。こちらには医療や介護サービスが付随する必要があり、介護従事者などの法人を対象に貸し出すことになります。
小さな規模では投資効率が悪くなり、高齢者を対象にしているために高層化することもできないために、アパートなどの集合住宅よりも広い土地を必要にし、人材確保のできる場所などの地域性なども必要にはなりますが、広い土地や田舎の静かな土地であると、それなりに需要がありますので、候補として考えておいてもいいでしょう。

・店舗用に貸し出す
出店用地として貸し出す場合も、交通量などによってレストランやコンビニなどのどのような店舗として活用されるかが変わりますが、事業者が建物を建ててくれたり、土地の整地代金なども建て替えてくれたり、賃料から控除がされる契約形態を取ってくれたりするので、土地の所有者の持ち出しがないという点が非常に魅力的な貸し出し方法です。
ただ、デメリットとして、強引な値下げ交渉を迫られたり、経営状況が悪くなると撤退して、途中解約をされてしまうこともありますので、リスクはそれなりに存在しています。そのようなリスクを踏まえた上での損益分岐点の把握をしておかないと、損をしてしまうこともありますので、気を付ける必要があります。
また、事業用定期借地契約がなされるはずですので、契約満了後には元通りの更地として変換されますので、別の土地活用に転用し易いというメリットもあるにはあります。

・建物を建てる際に最低限押さえておくこと
なお、建築を建てるのは借主ですので、土地の所有者が用途を考える必要はない物の、貸し出す際には最低限押さえておくことがあります。
それらは全部で四つです。電気が問題なく引けること。水道管とガス管が埋没されている道路から近い事。建築機銃法の接道義務を満たしている事。隣地との境界が分かっている事。です。
これらの四つは少なくともすべてを達成しておかないといけないものだと思って、確認しておきましょう。
また、借主が借りた土地に建築物を建てると借地権が発生します。借地権は基本的に借主が保護される性質があり、長期間にわたって貸し出すことがかなり強い権利によって認められるので、何かあったとしても土地を簡単に取り戻すことができなくなります。
もしも、それが気になるのであれば、料金や需要が減少することを前提に、定期借地契約を結んだ方がいいかもしれません。

●土地として貸し出す場合にどのように活用されるのか
借主が建物を建てない場合は、主に借主がその土地を建築以外の何かで活用することになります。だいたいは自動車か資材か、太陽光発電位です。
特に太陽光発電は地価の安い田舎の方が、安い値段で高い利益を上げることができるとされているので、土地として貸し出すときには太陽光発電のための需要が発生し易いと言えます。
さらに言えば、田舎では障害物となるような背の高い建物もほとんどないので、田舎では大きなメリットがあると言えるでしょう。それらも含めて、土地を貸し出す際の使用例を見て行きましょう。

・太陽光発電
先にも太陽光発電については少し触れましたが、太陽光発電はいくつかの設備を設置するだけであり、建物としては取り扱われません。また、送電をするための電柱が近くにあるのならば、地目は一切問わずに貸すことができるので、非常に貸し易いというメリットが貸主側にもあります。
その上、現時点では事業としての安定もあり、貸主の利益ともなりますので、非常にメリットが多いように見えます。ただ、今現在であっても太陽光発電による電気の売却価格や諸制度などが改正されていく可能性もあるので、常に動向をチェックしておく必要があります。
また、当然ながらデメリットもあります。太陽光発電は現在では10年間は最低でも運用をすることで、採算がとれるようになっており、賃貸借契約は確実に10年以上となり、長くなると20年以上になることも予想されます。
そのため、土地を別のことに使用したいと思ったときに、すぐに取り戻すことができませんので、それらを加味してから貸し出す必要があると言えます。

・駐車場
駐車場は利回りはあまりよくはありませんが、投資コストはかなり小さくなっている特徴があります。
駐車場として提供する場合は、借主側では駐車場経営のコスト増になり、十分な集客が望めないような立地にあると、設置してもかなりシビアな収益になってしまいます。
特に田舎での需要はほぼないに等しいので、住宅が密集している小規模な商業地や、駐車場経営が成り立つような都市部などでしか、貸し出せない可能性が高いです。
なお、都市部であれば、コインパーキングとしても使用することができるので、需要があり、フル稼働ができればそれなりの利益は上げられるかもしれません。

・資材置き場
資材置き場として貸し出す場合にも、資材置き場が無くて困っている会社が近くにあるか、一時的な開発工事などで、資材や工事車両を保管する場所が必要な業者がいないと、そもそもの需要が存在しないという問題点があります。
しかし、資材置き場としては、運搬に必要最低限の道路と間口があれば十分なので、整地が不要な場合が多く、貸し出せる土地の種類が豊富であるメリットがあります。
ただ、長期的な資材置き場としての使用が少なく、短期的な使用目的であることや、建物を建てないことなどを注意しながら契約をする必要がありますので、お気を付け下さい。

・建物を建てない時に気を付けること
なお、土地だけで貸し出す際には必ず、建物が建てられないような契約を結ぶことを最優先してください。
もしも認めてしまうと、借地権が発生し、短期的な契約のはずが借地権によって30年以上の契約が結ばれてしまう恐れがあるからです。そのため、土地が返って来なくなる可能性もありますから、十分に注意しましょう。
もしも認めたとしても、仮設の建物にしましょう。必ず自分から承諾をしないこと、初めから契約で建築をしないことを誓約させることなどが十分な対策となります。

●土地を貸す際のメリットとデメリットについて
では次に、土地を貸し出すことのメリットとデメリットについてを紹介しましょう。当然、メリットの方が多くなり、遊休地をいつまでも放置し続ける方がデメリットとしては大きく、数も多くなるので、可能であれば貸し出す方が、土地所有者としての利益は多くなります。

・メリット
土地を貸し出す最大のメリットはやはり安定収入があることでしょう。地盤が安定してる土地によっては投資もほとんど必要が無いこともあり、長期間の契約によって、長期的な安定収入が見込めます。
その収入は特に、税負担を軽減することに役立ちます。さらに言えば、建物が建つことによって、固定資産税が最大で6分の1に、都市計画税が最大で3分の1にまで減るので、そのような場合には、税負担の軽減のみならず、純利益を上げられます。
また、もう一つのメリットとして、貸主が土地の管理を同時に行ってくれることも挙げられます。放置している土地の管理は所有者の責任になりますが、どのような用途で貸し出す場合であっても、土地に雑草が生えていたり、不法投棄などをされていれば除去を確実に行ってもらえるので、貸し出しているだけで負担や委任料を省くことができます。

・デメリット
デメリットは二つ、契約期間中に土地を自由に使えなくなることと、相続の際に売却ができなくなることが挙げられます。
前者は、全く使用していない土地であれば特に問題はありませんし、そのことは覚悟の上で貸し出しを行うことでしょうから、よっぽどのことが無ければ問題にはないでしょう。
ただ、後者の場合は、所有者が亡くなった後に相続し、金銭的な遺産が無いと相続税を支払うことができなくなる可能性があります。その際に、土地を貸し出していないのであれば、売却して相続税の足しにすることができるのですが、それができなくなってしまう可能性があり、相続人が頭を抱えてしまうことになるでしょう。
所有者がいつ亡くなるのかは、予想外であることが多いので、明確な計画を立てることはできませんが、長期的な貸し出しとなることは間違いないので、相続人にはそのことは必ず伝えておくなど、対策をしておいた方がいいでしょう。

●土地の収入の相場の算出
土地に関しては、収入は地代、支出は固定資産税や都市計画税となるので、どのくらいの収益がでるかは簡単に求めることができます。
しかし、地代を設定する際には非常に難しい側面があり、いくつかの種類の算出方法から求めるようになっています。
正確な地代を出したいのであれば、不動産鑑定士による鑑定が必要となりますが、その際にはお金もかかりますし、地代は貸主と借主同士の合意で決定することができるので、所有者が概算で決定しても特に問題はありません。
なお、賃貸借契約では、前払い的な知事金がある際には、賃料から控除し、預り金的な一時金がある際には、それを運用益相当分を控除されます。

・積算法
地代の算出方法の一つが、積算法です。こちらは、更地価格と期待利回りをかけ、後述する公租公課を加算した値段によって決めることができます。
必要経費として固定資産税などが別にくわえられるので、期待利回りを得ることになるので、この計算式は貸主寄りとなっています。
キタ利回りについては、収益還元法と言うので求めることになるのですが、非常に面倒なので、概算で2%程度とされています。
ただ、借主の得られる利益次第で地代は変化すべきですが、貸主の大きな負担となるので実際には貸主が望む期待利回りを押し付けることはほとんどありません。

・賃借事例比較法
次は賃貸事例非核法です。こちらは他の土地での契約された地代の情報を収集し、比較しながら地代を求めることになります。
こちらは類似した取引を探す必要があるので、取引事例の多い都会であれば適切な値段を求められますが、田舎だと難しい方法となります。
また、周辺相場を参考にしますが、立地や形状によって地代が変わる性質がある以上、適正な地代を求めるのは難しくなっています。少なくとも、地代の参考にはなりますので、取引事例を調べる意義はそれなりにはあります。

・収益分析法
収益分析法は、得られる収益から地代を求めていく方法で、土地に建物を建てたことを仮定して求めます。
この場合には、店舗などの事業予想収益を基本とする方法と、アパートなどの賃貸住宅による事業予想収益を基礎とする手法に分かれます。ただ、どちらであっても、仮想の収益を仮定して算出するのは、素人無為ではなく、専門家による評価が必要不可欠です。
また、建築可能な建物に関しては、土地によって容積率や建蔽率などの制限があるので、予想収益も変わり、その制限の範囲内で可能な建築とされています。

・公租公課の一定率について
一般的には、固定資産税と都市計画税の合計額を3倍から5倍が地代となることが多く、更地の標準税率が1.7%となっているので、固定資産税評価額の5%から8%がこちらの公租公課の一定率となります。
なお、都市計画税は田舎では適用外になっていることもあり、税率の条例ごとによって違うこともありますので、必ずしもこの割合になるとは限りません。

●まとめ
少なくとも、税金を支払い続けて土地を放置するよりは土地を貸し出す方がメリットは大きいです。
土地を貸し出す場合には、短期的な貸借も可能ですが、建物が建つ場合には事業用なら10年、一般の居住用であれば30年以上は契約をすることになるので、相続の際に問題になることが懸念されます。問題にならないように、次世代のことも考え、家族に相談をした上で、土地をどうするかを決めた方がいいでしょう。