不動産を売却する、または賃貸物件として貸し出そうと思ったときには、必ず不動産会社に仲介をしてもらうことになると思います。
そうすると、購入は借りることを希望する人を探してくれますので、こちらから何か行うことはほとんどなく、かなり楽に取引を進めることができます。むしろ、個人でそれらを行うのは非常に難しい事なので、不動産会社に仲介依頼をすることはほぼ必須の条件となります。
ただし、どの不動産会社に依頼をしても同様の結果を得られるとは限りません。不動産の販売、貸し出しの取引の可否などはその会社の持っている営業力などに依存しています。
つまり、不動産の売却や貸し出しにおいては、どこの不動産会社に仲介を依頼するかが最も重要なことになるのです。
ですが、何も知らない素人の我々にとって、何を見て判断をすればいいのかはちっとも分からないかと思いますので、優良の不動産会社を見つけるための、いくつかのポイントを紹介したいと思います。
それらを参考にすることで、自身の納得のいく不動産の販売、貸し出しが行えるように努めましょう。

●不動産会社の対応の限界と得意な分野を知る
・不動産会社の多くは縄張りを持っている
まず、不動産会社には対応することのできる地域に限界があります。少なくとも不動産会社の販売や貸し出しのためには、その所有者と関係を持つ必要があり、現時点ではそれらの関係をネットの利用で、遠隔地にいる人と持つようなところはありません。また、住宅についてもある程度は管理をする必要もあるので、不動産会社の営業所の近くにある住宅しか自社だけで販売や貸し出しは不可能なのです。
そのために、不動産会社は縄張りのような営業範囲を持っています。その営業範囲に限って、対応をすることで、より効率よく利益を出そうと努めているのです。
つまり、自社の利益を上げるために、営業範囲に限界を持っていると言えます。
ただ、最近ではネットで、レインズという他社の不動産会社と連携して、広範囲の物件を仲介することができるようなサービスも行っているので、自分の住んでいる地域から、遠くの地方の物件を仲介してもらうことも可能になっています。
・目的に合った不動産会社を選ばなければ意味は無い
また、不動産会社にはいくつかの種類があります。例えばある会社では賃貸物件の取り扱いを行っている会社、ある会社ではほぼ売買のみを行っている会社、と言ったようにそれぞれの不動産会社には得意分野があるのです。
この得意分野を見極めて、目的に合った不動産会社へ依頼をしなければ、自身の望む結果を得ることはできません。販売目的の不動産を、賃貸が得意な不動産会社に、販売をしてほしいと依頼をしたとしても、それは八百屋で魚を売って欲しい、というようなかなりお門違いなことなのです。
最も、不動産会社ですので、一応は取り扱いをしてくれることはあるでしょう。しかし、買い手を探すノウハウもあまりありませんし、売却による仲介手数料よりも、賃貸で手数料を取ってしまう方が楽ですから、依頼した物件に対する営業活動を積極的に行ってもらえないことも多々あります。
ですので、それぞれに何が得意な不動産会社なのかを判断して、適切な依頼をするのが、効率的だと言えます。
とはいえ、得意分野の見分け方は決して難しいわけではありません。ホームページやチラシを見ると、まず真っ先に目につく位置で、得意な分野での物件が紹介されていると思いますので、それが賃貸か販売物件かを見れば、一目で判断可能です。
なお、賃貸物件の管理業務も行っている不動産会社では、依頼された物件の貸し出しよりも、自社で管理している物件を先に紹介する傾向にありますので、覚えておくと良いでしょう。
●安心して利用するための基準を調べる
不動産会社に仲介をしてもらう上で、大切にしたい一つの項目として、その不動産会社に依頼をして安心できるかどうかも挙げられます。
もしも、不動産会社を見つけて、依頼をしたときにその会社が倒産寸前だったり、免許を持たない無免許不動産会社であった場合には、その会社を利用して安心とは決して言えないでしょう。
・免許番号から分かる安心度
不動産業の中でも、宅地や建物の販売を行う業種は宅建業と呼ばれており、国土交通大臣、または都道府県知事から免許を受けなければ、その事業を行うことができなくなっています。
この免許は、営業所にある宅地建物取引業者票や名刺などにも描かれており、「免許権者(更新回数)免許番号」という順のフォーマットで記されています。
免許権者は国土交通大臣か、都道府県知事が掛かれており、免許番号はそれぞれに違う番号が記載されています。
その真ん中にあるかっこに閉じられている更新回数は、何度更新したかを示しており、その回数が多い程それだけ長い年数、許可を得て宅建業を営んでいると判断できます。
長期間の営業からも、安心度は分かりますが、逆の場合、更新回数が少ないからと言って、その業者が安心できないか、と言えばそうではありません。
更新回数は免許権者を変更することでリセットされてしまいますので、例え10回の更新を行っていたとしても、その人が都知事からの免許から、国土交通省の免許に変更した場合には、更新回数はゼロにもどります。
そのような傾向にあるので、安心できるかどうかは長さだけでは判断しきれないとも言えますので、お気を付け下さい。
・免許を与えている相手による違い
なお、都道府県知事と国土交通大臣のどちらかの免許を受けることになりますが、その内容の違いはたった一つだけしかありません。
それは、営業範囲の違いです。都道府県知事が免許権者になっていれば、一つの都道府県内のみで営業することができ、国土交通大臣が免許権者となっている場合には、二つ以上の都道府県で営業をすることができます。内容面に関しては後はほぼ同じです。
・業界団体は業界を良くするためにある
また、依頼をする不動産会社が安心できるかどうかを計るもう一つの方法として、業界団体へ加入しているかどうかを調べることが挙げられます。
業界団体は、業界を良くするために設立されているもので、所属していればそれだけでもある程度の優良具合を判別することができます。
業界団体への加入は任意で行われているのですが、加入をすることによって消費者に対して安心があると示すことができ、非常に多くの不動産会社が、業界団体に加入しています。
なお、業界団体の中でも主な業界団体、全国宅地建物取引業協会連合会、不動産流通経営協会、全日本不動産協会、全国住宅産業協会の4つの業界団体は、所属しているだけでレインズを利用することができるので、不動産会社にとってもメリットがありますし、さらに言えば、レインズが利用できるのは不動産会社を利用する側からしても、それだけ購入希望者を募り易くなりますので、私たちにとってもメリットがあります。
業界団体へは大手でも中小でも加入することは可能なので、所属団体に付いて確認しておくことをおすすめします。
また、確認方法としては、国土交通省に用意されている検索システムを使えば、免許を受けている業者であれば、所属団体を確認することが可能です。システム自体も複雑な形はしていないので、使用するのも非常に簡単ですよ。
●業者ごとに違う仲介力を調べる
不動産を売る、貸す、どちらの場合であっても、不動産会社の仲介力が、取引の成否を分けることになります。
しかし、この不動産の仲介力がどのようなものなのかは、見抜くことが非常に難しく、以下に挙げたいくつかの項目を参照しなければなりません。
・査定価格からも仲介力が分かる?
実際の販売価格と査定価格が全く違う、というのは不動産取引において常識のように語られていることです。しかも、その違いで多いのは、査定価格よりも販売価格が高くなる方ではなく、低くなることです。
そのような結果が出る理由として、不動産会社が査定価格を提示するときに、実際の販売価格の相場よりも高めの値段を提示することがあるからです。
もしも、自分の住宅が、思っていたよりも高く売れると思えば、高額の査定額を提示してくれる不動産会社に仲介を依頼しようと思いませんか。
実際に、その心理を利用して、不動産会社の中には高額の査定価格を出しておいて、実際の販売の段階になってから、査定価格が盛られた年暖であると判明する事例が多発しています。
不動産会社はあくまでも仲介を行うだけで、仲介手数料のみを、不動産の売買では収入としています。よって、何が何でも仲介手数料を手にしたいと思うような不動産会社であれば、このような詐欺まがいのことをしてしまうことがあるのです。
仲介力については、何が何でも売りたいと思っているので、ある程度は期待できます。しかし、売り主のことを全く考えていないような態度を取られてしまうと、信用していいものかどうかが、微妙に感じますよね。
逆に、相場観のある不動産会社であれば、相場に近しい値段で査定価格を提示してくれ、しかもその根拠まで教えてくれます。仲介力の差は分かりませんが、少なくともこのような売り主の味方になってくれる相手の方が、こちらとしては利用し易いのではないでしょうか。
・仲介力を調べるためのポイント
では、以下に不動産会社の仲介力を調べるためのいくつかのポイントをまとめてみましたので、そちらを見て行きましょう。
まず一つ目に挙げるのは、販売方法の数です。不動産の販売は、店頭、ネット、チラシ、レインズ、情報誌、などなどで売り出すことができるのですが、できるだけ多い選択肢があるほうが、それだけ購入希望者を募り易くなります。ゆえに、販売数が多い業者は仲介力が高いと言えます。
また、広告を出す速度も、仲介力に影響しています。広告を出すまでにかかった時間だけ、購入者が募るチャンスを逃してしまうことになりますので、広告をできるだけ早く出せる方が、集客率が高くなります。また、その分だけ取引実績が豊富であるとも言えるので、広告を出すのが早い不動産会社は得てして高い仲介力をもっていると言えるでしょう。
次は、顧客ネットワークをもっていることです。レインズもかなり有効なネットワークの一つですが、それだけではなく、支店をいくつも持っていたり、ネットなどを介さずに他の不動産会社との横の繋がりがあるなど、不動産会社が独自のネットワークを持っていると、それだけ買い主や売り主を紹介してもらえます。大手でも、中小であっても、このネットワークは持っていることがありますが、支店の多い大手の方に分があります。
提携ローンを扱っていることも、仲介力が高い証拠となります。ローンを組めるほど、取引の実例があるということでもあり、さらに売却と同時に資金プランも提供できるので、買い手を仲介し易いのです。
次が、対象の物件に対しての事情をしっかりと理解していることです。こちらは地域性の強い地域密着の不動産に分があり、販売事情や賃貸事情はそれぞれの地域によって違います。
それらを理解しているために、需要や顧客層も把握し、戦略的な営業を行うことができるので、購入希望者を探し易いのです。
最後にもう一つ、担当者の力も多少は影響しています。しかし、それは外部からではなかなか分からないことですし、担当者が変わることは大手でなければそうそうあり得ません。
良い点当社でも、悪い担当者でも、口が達者な方が多いですから、その担当者の良し悪しは、第一印象や人柄から直感的に推察するしかありません。
なお、こちらから説明を求めた際に、それをしっかりと説明してくれるのであれば、大体は大丈夫です。ただ、優良な業者でも悪徳業者であっても、契約までは必ず丁寧に接客をされるので、担当者の態度からそれを見抜くのは難しいと言うことだけは、覚えておきましょう。

●大手と地域密着店のメリットデメリット
不動産会社の種類は大きく分けて大手の不動産会社と、地域密着型の中小のものに別れます。最近ではレインズの登場で、物件情報を知るまでは大手でも地域密着の業者であっても、そこまで違いはありません。
また、どちらが優れているか、ということも客観的には判別し辛いので、双方の特色を理解して、自分自身にとってはどちらを選ぶのがいいかを知っておくと良いでしょう。
こちらではまず、大手と地域密着店のメリットとデメリットを見てみたいと思います。
・大手のメリットデメリット
まず、大手の不動産会社のメリットとしては、たくさんの広告費をかけ、多くの顧客を有しているので、購入希望者の募り易さと、取引実績の豊富さがまずメリットとして挙げられます。
デメリットとしては、ノルマが掛けられていることが多く、契約を強引に結ぼうとする担当者がいることや、人事異動が激しく、担当者が一定ではないので、信頼関係を結ぶのが非常に難しい点です。ただ、これらはビジネスとしてのお付き合いであれば、そこまで重要視しなくても良い点でもありますので、人によってはそこまで大きなデメリットにはなりません。
・地域密着店のメリットデメリット
地域密着店のメリットとして挙げられるのは、地域の情報にとことん詳しく、売り主や貸主にとって欲しい情報をいつでも提供することができる点です、
また、これは買い主や借主にとって大きなメリットであり、住宅を購入後の生活や土地のその後の活用方法などの的確なアドバイスを受けることもできます。
デメリットとしては、広告費などに回せるお金があまりないので、幅広く購入希望者を募ることができない点でしょう。ただ、上述の通りレインズや横の繋がりなどもありますので、そこまで大きなデメリットにはなりません。
・どちらにも共通すること
また、大手であっても地域密着店であっても、共通することが二つ挙げられます。まず一つは仲介手数料についてです。
仲介手数料は、上限が法律で定められており、大手でも地域密着店であっても、上限いっぱいの値段を請求するところがほとんどのようです。
また、血板井に関しては、借主から家賃1ヶ月分の仲介手数料を受け取る習慣がありますので、貸主が負担をすることはありませんので、覚えておきましょう。
そして、もう一つの共通点は、注意すべき共通点です。
仲介業で行われている取引業態に、両手取引というものがあります。こちらは買い主、売り主の両方を一つの業者が仲介をすることによって、仲介手数料をより多く取るために行われます。
単純計算で、手数料が2倍となるので、仲介業者はできることならば、両方とも自社で仲介をしたいと思うのは当然のことですし、法律でも禁止はされていません。
ところが、業者の中には両方とも仲介することに拘り、買い主を顧客内から探す、もしくは、両手取引のために、新たな購入希望者を待ち続けるようなケースがあります。
そうなると、他社との提携を結ぶことのできるレインズに意図的に登録をしない場合もあり、売り主にとってはかなりの不利になってしまいます。
・両手取引をしているかどうかの確認方法
なお、両手取引をしているかどうかは、レインズに登録をしているかどうかで判断することができます。
実際に仲介を依頼している不動産会社の担当者に、レインズに登録しているか銅貨を聞くと良いでしょう。レインズに登録していると必ず登録証明書がもらえますので、もしもこれを貰えていなかったら、聞いてみましょう。
また、登録書を渡したとしても、意図的に他社からの紹介を拒絶している場合があります。ですので、レインズの登録画面を不動産会社に一度は必ず見せてもらいましょう。
それでも、なかなか取引のお話が来ないのであれば、意図的に両手取引をしようとしている可能性がありますので、その場合には、別の不動産会社に仲介を依頼し直した方がいいかもしれません。
●行政処分を受けているかは簡単に調べられる
不動産会社も信用がとても大切な商売です。そうすると、不動産会社の中には信用に大きな損失をもたらしてしまう、かっこに行政処分を受けたことを意図的に隠していることもあります。
実際にそのようなことを、担当者の口から言うことはありませんから、もしも行政処分を受けたことがあるかどうかが気になるのであれば、公表されているデータを参照しましょう。
行政処分を受けていれば多少は改善されているかと思いますが、昨今の企業の事情を考えると、全く反省の色を見せていないような会社もあるかもしれないので、過去に処分を受けた会社を利用するのは、できるだけ避けた方がいいです。
・行政処分の履歴はネットで閲覧可能
行政処分は免許権者ごとに、分けられています。国土交通大臣の免許を持っている業者は、国土交通省から、都道府県知事から免許を受けている場合は、各都道府県から処分を受けることになります。
その情報は、それぞれ国土交通省ネガティブ情報等検索システムと、都道府県知事が行った監督処分情報から閲覧することが可能です。
国土交通省の免許に関しては、5年以前のデータが全て閲覧できますが、都道府県知事の免許の場合は、一部の都道府県の情報が閲覧できませんので、注意しましょう。
それぞれの省庁や、国土交通省地方整備局などでも閲覧ができますので、ネットで調べられないのであれば、そちらに訪れましょう。
●まとめ
以上が、不動産売買や、貸し出しの際に仲介をしてもらう不動産会社を選ぶ際の様々なコツです。
このほかにも媒介契約の違いや、担当者などによっても、力の入れ具合は変わりますが、最近ではレインズもあるので、物件の紹介上での差はほとんどなくなりました。
あと気を付けるのは、とにかくイメージの悪い会社やかつて処分を受けたような会社、不正を行う会社の利用はできるだけさけることです。
口コミなどの情報を調べつつ、どの会社なら安心して任せることができるのかを考えましょう。もっとも、評判を聞いても、本当にその通りかは実際に担当者に合ってみるまでは分からないことですので、自身の目で様々な不動産会社に相談を持ちかけていくのも、良い判断材料にはなるでしょう。
少なくとも、査定価格だけで不動産会社を決めると、期待を裏切られるだけですので、それだけは行わないことを肝に銘じておいてください。