農地に関する制限

普通の土地売買との違い、現在我が国内においては、農地法上での都合上、農地や採草放牧地に関しての、様々な制限がなされているような状態になっています。

その中でもとくに、権利移動や転用などの移転契約とかの行使に関しては、多くの委員会や関連官庁、自治体首長などからの許可が必要であるとされているものが少なくはありません。

ここでいういわゆる「農地(のうち)」自体は、今話した農地や採草放牧地などをはじめとする、一般的な農業に用いることが最優先とされている対象の専用土地の事ですので、その扱いなども法律上、当然な事なが ら、普通の土地やそれ以外の土地などとは異なる、特殊な扱いをされるようなあり方となり ます。しかしながら、農地法によるこの規定上での制限自体が、現在の時代のニーズなどと は合わなくなってきているような面などもあり、大きな課題となっているところもありま す。

都道府県知事の許可が必要になる場合

これは上述した、権利移動や転用の制限に関しての話の内容の一部分でもあります。
所有権・地上権・永小作権・質権・使用貸借権・賃借権・その他、様々な権利の 設定の際に、その農地自体が所有者がいる現住所以外の市区町村などにある場合には、そこの都道府県知事からの許可を得なければならない規定が農地法上あります。

ここが大変ややこしいところであり、その前に、所有者本人が住んでいる農業委員会からの許可を得たうえで、その農地が存在をしている地域の都道府県知事からの許可を得なければならないとったような、二重の許可制になっています。

この点に注意をしなくてはなりません。このように、別の都道府県の地にある農地の権利移転行為に関しては、法的に厳しい面があります。

農地の転用の制限について

ここでは、全般的な農地転用に関しての制限内容について触れてみます。様々な権利の設定 での制限に関してのあり方は、上述しました。
これには実は、我が国においての第二次世界大戦以前の時代的経緯面において、れっきとした理由があります。かつての軍国主義政権までの、明治政府をはじめとする大日本帝国政府自体が、明治期初期の地租改正政策以来、地主による恣意的な土地運用や借り上げ、貸借売買その他の 自由な売買全般を公認してきた理由がありました。

そうした事態は我が国の大正期の貧困化の増大を招き、あの第二次世界大戦を引き起こした原因にもなった事から、アメリカのGHQにより大戦直後において、是正命令をされた事に端を発します。そうした、地主による恣意的な売買行為を制限し、社会的な不平等が起きたりしないようにすることを、農地法は最大目標にしています。

小作地等の所有の制限について

これも先程の話の続きになりますが、かつての戦前の帝国主義政権時代には、地主による農地の小作地の所有が無制限でした。

このため常に、使用農家の人々は貧困世帯であり、生活環境なども大変過酷な中で生きてきており、裕福な地主である人々との富の面においては、 本当にその差の乖離といったものは歴然でした。

そして、大正期末期の不景気が起きると、地主は当時の軍国主義政権の手先となり、小作農である使用農家の人々から徴兵のための人手を無理矢理徴発をして、あの第二次世界世界大戦への人員として容赦なく戦地へ送り込んできました。そうした事態をアメリカ政府も大変恐れ、農地法に地主に対しての小作農用の小作地に関しての所有制限の規定を設けました。それが現在でも条文規定がなされ、今日に至ります。

農地法上での罰則の注意点

こうした以上の歴史的な経緯がある農地法による、政治的な意図なども含まれたりしている内容の農地に関しての権利の移転や諸権限の設定などに関しての内容になります。

そして、同法にある規定を守らない地主には、末尾部分にある罰則が設けられており、それらの規定においてのペナルティの対象となります。

第二次世界大戦の時代より、約60年後の現在でもありますが、いまだ平和憲法として制定をされた日本国憲法下においても貧困問題の解決などは中々なされず、裕福な者と貧しき者との格差がますます広がってきているような状況でもあります。

そうした中、不況に不安を抱く地主によるそれにつけ込んだ、農地売買の恣意的な商売などがなされたりしている報告なども実在したりしています。このため、現在でも農地法による罰則は今後も規定をされていくものと思われます。