現在、少子高齢化で人口が目に見えて減り続けています。
同時に核家族も増えていますが、なんと高級なタワーマンションから小さいマンションまで、とどまることなく建ち続けています。

さらに、だからと言って老朽化などで解体されるマンションが多いわけでもありません。

現代の都市は、中古マンションで溢れかえっているといっても過言ではないということです。
一部の人気の地域のあるマンションなどはともかく、供給が多くなれば価格はどんどん下がっていくものです。
しかもマンションは、戸建てとは違い、毎月の管理費、修繕積立金などがかかる上に、土地の持分が小さいために戸建てよりも固定資産税が高くなるのが大半です。

管理費や固定資産税は、マンション特有の問題ですので、個人でどうにかすることはできません。
しかし、対処できる理由はいくつかあります。

まずは、マンションが売れないわけを見ていきます。

・価格、管理費、修繕積立金など

やはり最初に挙げられるのは、価格や管理費、修繕積立金などの費用です。
中古マンションでも何でも、需要に応じた価格になっていなければ、まず売れません。
ですが地域の需要は把握するのが難しいため、その需要に一番沿っている設定をするのも至難の業です。

ですので、物件の相場を見て価格設定するのは絶対に必要なことです。

早く売りたいからと言って、売り出し価格を安めにしたとしても、管理費や修繕費などの諸費用を加えると相場以上の金額になることもあります。
一般的にはそのマンションの戸数が多いほど、1戸当たらいの負担比率が下がり、総額も下がっていきますが、築年数では下がりません。
むしろ修繕のために使うお金ですので、築年数が大きくなるほど修繕積立金が上がっていきます。
買う時点でギリギリだと、将来払えるか心配になることもあります。

そして、言うまでもなく、不相応に高い物件は、よほどの付加価値がない限り、売れることはありません。
例えば購入希望者がいくつか現れて、競合のようになれば、交渉によって価格が上がることもあります。

しかし、それでも最初は相場通りの価格なため、希望者が何人も現れると考えられます。
最初から高い物件には、誰も興味を示しません。

・マンション内での競合

だいたい3月から4月ぐらいまでの正月から春の時期は、出入りが活発になりやすいものです。
つまり、同じマンションでも複数の部屋が売りに出されるということです。

これは築年数などで全く同じものになるため、非常に強力なライバルになります。

マンション内で差別化できるとしたら、階数の違い、エレベーターの位置、角部屋かなどの部屋の位置ぐらいです。
あとは全て、売主にかかっているということです。
価格競争は熾烈を極め、値下げ合戦になる可能性もあります。

価格と同時に売主の責任があるのが、部屋の内部です。

・内覧の期待に沿えられていない

外見は全て築年数などに応じて変化しますし、エントランスなどの共用部分もマンションとしての評価になるため、部屋の評価には影響しません。
ただし、内覧による部屋の評価は非常にシビアなものです。
築年数に応じた物件はいくらでもあるため、築年数から想像している部屋よりも良い印象が絶対に必要です。
内覧でダメなら、買おうとは全く思いません。

・不動産会社の努力

一般的に、不動産会社は売りたいものに力を入れて、急いで売りたくないものにはあまり力を注がないと言われます。
これと同じようなことが、マンションでも当然起こりえます。

後述しますが、実は不動産においては、業者が買主からも仲介手数料を受けたいという目的で、他社からの買主仲介を実質拒否していることもあるのです。
不動産会社選びは、意外と重要なカギを握ります。

・需要と供給のバランスが崩れている

マンションは基本的に、50年以上保たれる物件です。
そのため、建築当初と現在でバランスが全く変わっていることも珍しくありません。

築30年の中古マンションがあり、建ってから30年の間にほかのマンションがほとんど建たずに人口の増減もほとんどないという地域はまずありません。

しかも、マンションとは1棟できたら数十、数百という規模で家が増えることになるため、わずか1棟増えただけでも事情はガラッと変わるものです。
マンションを売るのであれば「売れるときに売る」ことが何よりも重要です。

以上が、大きく分けた理由かと思います。
不動産は売主と買主の交渉によって価格が決まりますので、いわゆる「定価」は存在しません。

価格の見直し以外にも、不動産会社の選定、さらにはリフォームをして質を高めることなどが、売れる対策になります。
ここで、売るための対策上記3つを、まとめて行きたいと思います。

1 価格の見直し

まずはやはり、これが最も簡単であり、大切なことと言えます。

前述したように、定価は存在しませんので、今決めている売り出し価格も、妥当性を証明する根拠が乏しい可能性があります。
下げる前提で高い価格をつけてしまえば、見透かされますし、興味も引きません。
特に、同じマンション内や周辺マンションに売り物件があるときには、よりシビアに価格を決めなければ、いつまで経っても売れません。

売り出し価格は基本的に不動産会社の査定価格をベースにするため、相場などから極端にかけ離れているということはまずありませんが、それでも高すぎることが珍しくありません。

中古マンションだけではなく、不動産にはすべて相場というものがあり、ある程度の値幅には収まりますが、査定価格がそのまま相場になることはあまりありません。
やはり、不動産会社の思惑があり、利益が必要なためです。

少し値下げして相場通りにするどころか、相場よりも少し安めにして割安感を出すなどの対策が必要です。
周辺物件の再調査、別の不動産会社による再査定など、売主から動く必要もあります。

ひときわ長く売りに出されている物件は、実は買いづらい物件になります。
具体的な理由があるわけではなく、「何かあるかもしれない」などの心理的なことが多く、余計に売れなくなります。
そこでおすすめなのが、あえて売り出しをストップするというものです。
売り出しを止めて、間を開けてから少し値下げして売り出すというものです。
なぜかというと、売却物件などを取り扱うサイトでは、基本的に上から新着順に表示されるため、時間がたつのと同時に埋もれて行ってしまいます。
特に中古マンションは数も多痛め、新着として1ページや2ページ目にいられる期間はほんのわずかしかありません。

・同マンション内で競合したときは、

前項で少し触れましたが、同マンションでいくつも売りに出されるということは、階数や方角などの差しかなく、非常に近い条件のライバルが現れることになります。
同マンション内で売りに出された場合は、基本的にはほかの部屋よりも安くしないと、売れ残る可能性が高まります。
そのため、不毛な値下げ合戦になる可能性があるのです。

そこで逆に、相手の部屋が売れるのを待ち、自分は適正価格のままで売りに出すほうが、実利が大きいということはあります。
一度値下げしてしまうと、値上げすることはあり得ないため、不必要な値下げは厳禁です。

しっかりと検討してから、値下げを考えてください。

2 不動産会社の再選定

売り主だけで購入希望者を集めることはできません。
必ず不動産会社に仲介してもらい、培われた営業力やネットワークを活用する必要があります。

自分でもとても魅力的に感じる物件なのに売れないのであれば、不動産会社を変えるのも有効な一手になります。

まず不動産会社との媒介契約には、専属専任媒介契約と専任媒介契約、一般媒介契約の3つがあります。
専任媒介契約は、不動産会社との仲介だけではなく、自分で買主を見つけて取引をすることができます。
不動産取引を個人で行うのは難しく、トラブルの元になりますので、専属専任、専任媒介は1社の不動産会社だけに任せるのがベストです。

ですので、現時点から変更するなら、ほかの不動産会社1社に任せるか、現在の契約を一般媒介に変えるという方法がおすすめです。
今の不動産会社への信頼度で決めましょう。

専属専任、専任媒介なら自らの会社1社だけの契約になるため、まとめる責任が生じますが、その分ライバル他社がいないため怠けるという可能性もあります。
不動産会社次第でかわるたまえ、そのようなことを考えてしまえばキリがありませんが、定期報告などを参考にして専属専任か専任媒介、一般媒介かを考えていきましょう。

もし、現在の契約が一般媒介だった場合、契約する不動産会社の数を減らすのがおすすめです。
一般媒介はいくつもの不動産会社と契約でき、売れる確率が高まる可能性があるのが魅力ですが、物件の宣伝には費用が掛かる上に、他社に取られてしまえば全て水の泡になります。
つまり、費用をかけて広告を打っても、他社に取られるリスクがあるため、あまり本腰にならない可能性があるということです。
一般媒介なのに1社だけに任せているなら、一般媒介の意味がないのですぐにほかの不動産会社を探して、一般媒介契約を活用するか専属専任、専任媒介への切り替えをしましょう。

一般媒介契約だと、レインズへの登録義務はなく、定期報告をする必要もありません。
どちらもしっかりと行ってくれる会社なら、専属専任媒介、専任媒介に切り替えて、本腰を入れてもらうべきと考えられます。

そして、媒介契約を見直せるのは、3か月ごとが大半です。
3か月ごとに契約を更新するかを決めていきます。
一般媒介では国からの推奨ですが、専属専任媒介と専任媒介では法律で定められているため、必ず更新しなければなりません。

3か月は地域差こそありますが、1つの季節の区切りでもあるため、見直しにはちょうどいいタイミングですし、市場の活性化が切り替わるタイミングでもあります。
言うまでもなく、年度末や新生活の始まり準備がある3月は最も激しく取引される次期で、売りに出されたり買われたり、さらには売買から賃貸、賃貸から売買などの相互流入もめまぐるしく取引されます。

そして4月を過ぎ、夏に入ると、夏休みに引っ越す層はいるものの、勢いは落ちてしまいます。
秋になり、年が明ける前ごろから徐々に活性化し、年明けの1月から3月に一気にピークを迎えるということです。

大まかにいうとこのような流れになるため、3か月ごとの更新が推奨されています。

おすすめは、秋から春にかけて売れなかった場合は、夏に不動産会社を変えるなど、契約を見直すのがおすすめです。

ちなみに、自分の物件の広告は必ず見ておきたいものです。

不動産会社は様々な手で広告を打ち、買主を探そうとします。
現在大きく分けると、インターネットに物件を掲載するもの、情報誌、ポスティング、チラシ、などが挙げられます。

インターネットだと、不動産会社の自前の公式サイトに乗っているのか、それとも不動産情報専門のポータルサイト、いわゆるお部屋探しのサイトにまとめて乗っているのかなどを確認しましょう。
両方に掲載されていると、目につきやすくなります。

紙媒体は、売却物件と同じマンションに入れられることもある上に、折り込みチラシなどなら、たまに入ってくるはずです。

どんな広告だとしても、自分が買主の立場になったときに興味を引くようになっているかが肝心です。
ですので、早く売りたいのにほとんど目につかないような広告だったり、そもそも広告の量が少ないと感じたら、すぐに問い合わせたり、契約を見直すなどで対策しましょう。
業者も様々な業務を持っているため、売主の意向を100%汲み取ってくれないことも少なからずあります。

それは特に、買主から仲介手数料を受け取りたいという時に起こります。

買主が他社の仲介により契約をすると、買主が支払う仲介手数料は当然ながらその他社に行きます。
しかし、もし売主と買主が、同じ不動産会社による仲介だとしたら、売買の両方の仲介により、2件分の利益が手に入るのです。

これをいわゆる「両手取引」と呼びます。

一つの取引に注力するのではなく、両手取引することを至上命題としている業者は、なんと他社経由で来た購入希望を断るということもあるのです。
そんな会社では、外部への情報発信も全く期待できません。

一般に囲い込みといわれることで、囲い込みがあるのかを問いただしたところで、正直に言うところはありません。

そこでおすすめな方法が、自分の物件が売れなくて不動産会社を探していると言い、ほかの不動産会社に相談してみます。
そこで自分のマンションの登録情報を見てみます。

ひどいところなら登録をしていなかったり、広告不可になっていることもあります。
詳細情報を取り寄せ可能なら大丈夫ですが、中には何もないのに商談中になっていて取り寄せられないということもあります。

これは不動産会社を見直す、非常に良い材料になりますので、是非やってみてください。

物件の質

価格、不動産会社に関連すること以外なら、やはり物件そのものの質を高める他ありません。

マンションなら基本的に、長持ちするもので、耐久性も高いのが魅力ですが、中古マンションなら部屋の内部は、どうしても相応の古さになります。
特に、床や壁の汚れは避けようがありません。

ですが、内乱時の印象は少しでも良くする必要があります。
例えばリフォームをして、ほかの部屋にはないような価値をぐっと高めれば、売れる可能性はあります。

大切なのは、「どこまでやるのか」ということです。

築浅の物件でよく見られるのですが、リフォームには多大な費用も掛かるし、そもそも築浅で住んだ期間も短いからきれいにすれば大丈夫。
という方がよくいます。

ですが、きれいであることと、新築レベルの物件ということは、全く別の問題です。
様々なところで言われているように、新築と築浅は全く別のものです。

新築は誰も使っていませんが、築浅は誰か一人でも、一瞬でも住んだことのある物件です。

スーパー、コンビニなどで、人が触ったものを嫌って2列目以降後ろにある商品をとって買うという人は珍しくありません。
同じように、それぐらいきれいな物件が求められています。
ましてや、新築ではないとはっきりわかるなら、なおさらのことです。

売主視点でのきれいさと、買主視点でのきれいさとでは、立ち位置から大幅に異なるのです。

もちろん、一口にリフォームといっても、その方法、内容は数えきれないほどあります。
したリフォームが買主の好みと一致する可能性よりも、誰にも一致しないほうが高いはずです。

ですので、実はリフォームは全て買主に任せて、売主はやらないほうが良いのです。

例えばキッチンや洗面台などを新しくしようとしても、高さによって使い勝手が変わりますので、見当違いになることも大いにあり得ます。
新品の設備なのに使いづらくて嫌、ということではどれだけきれいでも意味がありません。

基本的には女性がキッチンに立ち、家にいることが多いですので、女性に好かれる物件にすることは大切なことです。
反対に女性に好かれない要素があれば、それはハンデになります。

繰り返しになりますが、高い費用を払って良い感じにリフォーム出来たとしても、それを買主が気に入るとは限りません。

ただ、壁紙を張り替えるなどなら、意外と良い効果が期待できます。
奇抜なものは論外ですが、ほかの部屋との差別化も手軽にできるのでおすすめです。

やはり大切なのは、リフォームよりもハウスクリーニングです。
ハウスクリーニングは絶対に必要です。

前項で新築と築浅は違うと述べましたが、それでも部屋をきれいにする労力は必要です。
古いからこそ、中がきれいだと、印象が変わるのです。

壁紙を貼りかえるなども良いですが、費用が掛かって難しいという時には、電球を取り換えるとか、ほこりを取り除いて掃除しておくなどはとてもおすすめです。
また、欠かせないのは水回りの掃除です。
素人ではできないことでも、業者に任せれば数万円でできますので、ぜひともやっておきたいです。
もしクリーニングを専門の業者に依頼してやってもらったら、不動産会社にその旨を伝えてハウスクリーニング済みとの文言を書き足してもらいましょう。

マンションの外観や共用部分なら、建物に入るだけで簡単に見ることができます。
ですので、最初からリフォーム、リノベーションする前提で買う人でないなら、内覧の時には部屋を見たいものです。

しかし、マンションはいつ売れるかわからない上に、家が建つタイミングなどによって引っ越せないということもよくありますので、空き家と居住中という種類に分かれます。

空き家にする利点は、前述の内覧がしやすくなり、不動産会社からしても段取りや案内が簡単になります。
しかし、売主は仮住まいを借りて引っ越す必要があり、売れるまでが長引いた時の負担がとても重くなります。

一度売ると決め、不動産会社と契約をしたら、他人の家だと思って生活するぐらい、きれいに掃除することを心掛けましょう。

以上、3つに分けてご紹介いたしました。
マンションは固定資産税だけではなく管理費や修繕積立金など、非常に維持費が高い物件です。
1棟が自分の持ち物になるわけではないため解体はできず、土地目的で買うこともできず、一戸建てと比べるとなかなか特殊な事情を持ちます。

そして、売るからには早く売りたいと思っても、供給数が非常に多く、売れなくて苦労している人は大勢います。
不動産会社の選定などで済むなら良いですが、とにかく早く売りたいなど、場合によっては大幅な値下げも断行せざるを得ません。

売れない状況が長続きすると、修繕積立金と築年数は増加するのに価値は下がっていくという悪循環に陥ります。