●12の土地活用の方法
土地の活用方法とひとくくりにすることはできますが、その方法は全部で12種類もあります。それぞれに特徴やかかる費用、場合によっては大きな借金を背負うようなハイリスクな活用方法があります。
土地の活用の際にはこれらの種類から、その土地に合った活用方法を選ぶ必要があります。ですので、これから土地活用をするのであれば、それらの種類と特徴などをしっかりと知っておく必要があると言えるでしょう。
12種類の土地活用の方法を列挙すると、アパート経営、マンション経営、戸館賃貸経営、賃貸併用住宅、サービス付高齢者住宅経営、事業用賃貸、店舗併用住宅、駐車場経営、トランクルーム、太陽光発電、貸地、自己使用、売却となります。
これらの中からどれか一つを選ぶことになると思いますが、それを選ぶ際にはこれから挙げる6つの基準によって選ばれています。今回はこの基準について紹介をしたいと思います。

●費用と予算から活用方法を選ぶ
まず、費用と予算を基準として選ぶ方法です。少なくともどのような土地活用であってもお金がかかることは避けることはできません。
自己負担をすることもできますし、土地や建物を担保とすることで、借入金を得ることも可能です。
上記に挙げた方法の中でもコストパフォーマンスが良いのはコインパーキングや月極めの駐車場です。これらは物件を建築する必要が無く、土地だけを貸す貸地も同様にコストはあまりかからずに、自己負担でも行うことは不可能ではありません。
なお、誰かに貸すことのないトランクルームや太陽光発電も、広さによっては多額になることがありますが、個人で行うのであれば数百万円程度から始めることは可能です。
ただ、これらの費用の負担の少ない活用方法は、それだけで収益性が小さくなるというデメリットもあるために、土地活用で大きな利益を上げたいというのであれば、あまりお勧めはできません。

・借入金はリスクはあれども自己資金が少なく高い利益を出せる
また、土地の活用においては自己負担に拘る必要もありません。土地や物件を担保にすることで、お金を狩り得れば賃貸経営であっても、総費用の2割程度の自己負担で済みます。
このような手持ちの資金よりも大きな資金で運用することをレバレッジと呼ぶのですが、借入金額が大きくなれば大きくなるほど、自己資金を回収し易くなります。
だいたい10%程度の利回りがあれば、自己資金もすぐに回収することができますし、借入金の返済までには時間がかかるものの、完済すれば残りは完全に自分自身の利益となります。
つまり、レバレッジによって少ない自己資金で、大きな成果を挙げることができるので、自己資金だけに拘らずとも、借入金を利用することも視野に入れておいた方がいいのです。
このような方法は、賃貸経営ぐらいでしかうまく成果を挙げることはできず、リスクも当z年大きくなってしまいますが、小さなリスクで幅の狭い土地活用の方法を行うよりも、利益を上げやすくなります。

●資金回収期間と転用性から選ぶ
賃貸経営は利回りが基本的に10%となっています。つまりは、賃貸経営の資金回収期間は10年程度となり、これを基本的な目安として運用することになるでしょう。
ただ、この10%という利回りが発生するのも、借主がある場合に限りますし、より借主の現れ辛いテナントに頼る事業用賃貸の場合は、利回りこそ普通の賃貸経営よりも良くなりますが、テナントが埋まらなければ資金の回収までもかなり難しくなってしまうのです。
ただ、事業用賃貸は事業専用となってしまいますが、店舗併用住宅とすれは住宅でも事業でも利用することができるので、そのようにしてリスクを軽減することも可能になります。
賃貸経営は基本的に建物があることを前提として運用するので、転用性は土地のみで行う活用よりは下がってしまいます。しかし、借り手が現れなければ、売却をすることもできますので、転用性もそこまで悪くはありません。
転用性や回収期間から活用方法を選ぶとすると、最大の候補になるのはこの賃貸経営となります。

・賃貸経営以外の回収期間や転用性はどうなっているのか
では、次に賃貸経営以外の回収期間などをみていきましょう。賃貸経営と利回りや回収期間が同じになるのは、太陽光発電です。太陽光発電はランニングコストが小さく、利回りがそのまま回収期間に反映されるのです。
ただ、最低でも回収期間いっぱいまで使用しないと、多額のコストのかかる設置費用などを十分にカバーすることができないので、10年は転用できなく、少し転用性は悪くなると言えます。
ただ、回収前であっても、設備ごとの譲渡は可能ですが、導入する際に補助金などを受けている場合には、一般的に権利移転が制限されているので、注意しなければなりません。
また、利回りが10%を超える可能性がある活用方法としては、コインパーキングやトランクルームも挙げられます。こちらは転用性も非常に高いので、一見するとかなり有用な活用方法に思えるかもしれません。
しかし、10%以上の利回りになるには、フル稼働を想定する必要があり、そのようなケースは非常に稀ですので、実際には十分に回収できるとは限りません。
なお、転用をしたいのであれば、自己使用で機会をうかがうのもいいでしょう。住宅を建てても売却や賃貸にすぐに切り替えられ、選択肢が非常に多くなるので、将来的なことを視野に入れて考えるといいかもしれません。

●リスクの小さい活用方法を選ぶ
土地活用の第一のリスクとしては、初期投資金額によることが多いかと思います。お金をかければかけるほど確かに利益は増えるかもしれませんが、もしも思い通りにいかなければそれだけの負債ができるわけですので、リスクの小ささは初期投資金額の低さに直結します。
そのような場合には、平面の駐車場経営や太陽光発などの建物を絶てない土地活用を選ぶことになるでしょう。トランクルームは屋外で設置する場合は建築確認申請が必要ですが、こちらも比較的投資リスクは小さいです。
収益物件の場合であっても、多額の資金で建物を建てる場合でも、収益性が悪ければ売却してリスクの軽減は不可能ではありません。しかし、収益物件の買い主も同様にその物件の収益性を加味して考えることが多く、収益性の悪い物件であれば売却されないリスクが発生してしまいます。つまりは、失敗した収益物件の販売は難しく、リスクの軽減はできないのです。

・投資以外にも存在しているリスク
なお、リスクは投資金額以外にも考えなくてはなりません。特に賃貸経営の場合は、戸数の多さが空室リスクに直結してしまうために、アパートやマンションの経営をする際に、戸数を増やすと、戸建てよりも空室リスクは減少するようになっています。
他には、土地だけを貸す貸地であれば、短期の契約であれば小さなリスクで済みますが、長期ともなると建物を建てる借主に貸す場合も多く、借地権も十数年単位の契約になり、地代や滞納、相続トラブルなどのリスクも増えて、転用性が大きく損なわれることもあります。
自己使用の場合はリスクを回避するためのもので、リスク自体は大きくはありませんが、利益もありません。売薬は安く売れるリスクも伴っていますが、現金になればリスクが無くなるという他の活用方法とは少し違う点も持っています。

●収益性から活用方法を選ぶ
収益性は当然、リスクも高く、投資も大きくなりますが、その分リターンの大きい活用方法が良くなります。
マンション系江やサービス付高齢者住宅がそちらに該当し、店舗住宅も店舗と住宅の両方からの収入があり、店舗からの収入もかなり大きいので、高い収益を得られる可能性を秘めています。
ただし、これらの活用方法を行うためには、かなり厳しい条件が課せられることになります。例えば、マンションや店舗併用住宅は立地に大きく影響されて、サービス付高齢者住宅は用途が限定された建物になるので、その後の転用などが難しくなってしまいます。
当然、初期投資の際の借入金も大きくなるので、うまくいかなければ収益も良くならず、収益の閣下は赤字経営に直結するという大きなリスクを背負うことになります。
ただ、現時点ではより小さなリスクを求めて、ミドルリターンを求めるような活用方法を取る場合が多く、それらと同じことをしたとしてもその地域の需要に敵わずに、逆に大きな損を喰らってしまうことも考えられるので、収益性から選びたいのであれば、ある程度大きなリスクは承知しておかなければならないと言えるでしょう。

・太陽光発電の場合の収益性は
収益性が高い活用方法としては、太陽光発電も挙げられます。小規模なものではなく、大規模な広い土地での発電にはなりますが、そうするだけでも十分な収益になる可能性はあります。
動産担保融資によって、太陽光発電の設備と売電収入を担保とすることができるので、融資の面での問題は解決はしているものの、現在行われている固定価格買取制度を前提としてそれらが決定されており、今後その制度がどうなるかが不透明であるために、融資に踏み切ってもらえるかどうかが、かなり難しい部分になっています。特に個人で借りられるかどうかは、借入をする銀行にもよりますが、難しい場合も考えられます。
ただ、挑戦してみる価値はあると思いますので、土地活用として太陽光発電を考えているのであれば、一度でも融資してもらえるかどうかを確かめるといいかもしれません。

●相続対策を念頭に置いて選ぶ
次は、相続対策として選ぶ場合です。この時の相続対策とは、相続税の評価減を受けることを指します。
こちらの場合では、小規模宅地等の特例、賃貸貸付地の評価減、貸やの評価減を受けることが一般的なものとされています。これらが適用されるのは、建物が建っている土地であり、そのような土地では相続対策になると言えます。
それぞれによって割合や最大の評価減は違いますので、できることならば、全てを満たす賃貸経営全般が相続対策となり、相続税対策としてはアパート経営が有名なものと言われています。
その理由としては、借入金を土地と建物に変えることで、資産価値をほぼ失うことなく、相続税評価額を大きく下げられるからとなっています。自宅の場合でも、条件さえ満たしていれば、小規模宅地等の特例を受けることができるので、現金にするよりも大きく評価減にできる対策となることはあります。

・相続対策をする意義は相続人のため
相続対策をするのは、発生する相続税を少なくするためです。では、それはなぜ行われるのでしょうか。
端的に言えば、相続人に対して必要以上の税金を払わせないようにすることなのですが、だからと言って、評価減を受けるために何でも不動産にしてしまうと、今度は相続人が相続税を支払うための現金が不足してしまうことがあります。
相続税が不足するのならば、その相続する住宅を売却するなどして、現金にしてしまう方が歓迎されることもあり、必ずしも相続税対策として上記に挙げたような方法が適切であるというわけではないのです。
また、不動産は共有名義で相続することになるとトラブルの元になるので、相続後のトラブルを防ぐためにも、遺産分割教具がスムーズにされる工夫もしなければ、十分な相続対策にはなりません。

●実現性から選ぶ
実現性とは、いかにその土地活用を初めやすいかを意味することです。多くの活用方法は第三者に貸すことで利益を得るものですが、唯一太陽光発電だけが貸すことなく行える活用方法です。
貸すことを前提とした活用方法は少なくとも借主がいなければ成り立ちません。ですが、太陽光発電はその必要が無く、その上山奥の田舎であっても、都市部であっても設備さえ整えばすぐに行えるという高い実現性を持っていると言えるのです。
また、借主が必要となる場合でも、駐車場や土地を貸す場合には、高い実現性を誇っています。
逆に言えば、貸主がいても、初期費用を必要とする物件を建てることになる活用方法は、実現性は優れていないと言えます。なかでも、サービス業者が必要になるサービス付高齢者住宅経営は最も実現性が低いもので、多額の資金と共に綿密な事業計画が必要となります。

・金銭以外にも考えなくてはならい実現性
実現性の中には、金銭以外にも土地の広さや不整形地などの、土地活用に不向きな場合もあります。
それらは資金があろうが、需要があろうが、求めるような物件を建てることが物理的に不可能になります。
そのような場合でも、トランクルームや太陽光発電などは、狭い土地であっても活用をすることは可能で、さらに言えば、土地活用の観点から外れて、自動販売機やコインランドリーなどの方法でも活用をすることは可能です。
当然、隣地の所有者などに販売して、その資金を何か別のことに運用することも、土地活用ではありませんが、物理的に活用ができない土地を資産として活用する方法の一つです。

●まとめ
様々な基準から、土地活用の選び方を見て来ましたが、当然どの方法でもメリットとデメリットが存在します。
どのような活用方法を選ぶかは個人次第ですが、どのような活用方法を選ぶ場合であっても、不動産は次世代に受け継がれていくものなので、今現在は成功しそうな活用方法であっても、将来的にはどうなるかはわかりません。つまりは、長期的な運用計画をしておかないと、自分はともかく、相続をする次世代の方のことを考えておいた方がいいでしょう。
当然、土地の活用方法は上記に挙げた以外でも、たくさんありますので、どのような選択肢があるのかを入念に調べてから、その土地に合った活用方法を決めた方がいいと言えるでしょう。